中国語発音教材 目次 はじめに 1課 2課 3課 4課 テスト
   ぴよぴよ・・・

第一課 声調(せいちょう)について

1-1 四声について

 日本語のアクセントは「高低アクセント」で、英語は「強弱アクセント」です。
 中国語のアクセントは、日本語と同じ「高低アクセント」です。日本語のアクセントは高低の二種類ですが、中国語のアクセントは四種類あります
 中国語では、アクセントのことを「声調(せいちょう)」と呼びます。声調は「声の調子」とか「声色(こわいろ)」という意味ではありませんので、注意してください。
 声調には、以下の四種類があり、あわせて「四声(しせい)」と呼ばれます。

第一声(だいいっせい) 高く平らに伸ばす
第二声(だいにせい)  真ん中の高さから上にあがる
第三声(だいさんせい) 低い声でv字型に押し下げる
第四声(だいよんせい) 上から下にさがる

   このほか、

軽声(けいせい)  軽く短く

 というアクセントもあります。軽声は、前の音節に軽くそえるときの発音で、単独では使いませんので、四声のうちには入れません。
 日本語でもアクセントは大事です。アクセントが正確であれば、例えば
「ニワニワニワニワトリガイル」   
という早口言葉も、耳で聞いて「庭には二羽ニワトリがいる」という意味だと理解できます。
 中国語では、日本語以上にアクセントが大事なのです。アクセントを間違えると、言葉の意味がすっかり変わってしまうことが少なくありません。例えば、

第一声でma (ma1) 「お母さん」
第二声でma (ma2) 「麻」=「アサ(植物名)」「しびれる」「あばた」
第三声でma (ma3) 「馬」
第四声でma (ma4) 「罵る」=「声をあげて叱る」
軽声で ma (ma0)  「・・・か?(疑問をあらわす語気助詞)」

 


[豆知識] 「中国語は音楽的な言葉だから、音痴にはマスターできない」
という俗説は、完全な間違い。中国にも音痴はたくさんいる。
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夜中のアコーディオン
  以下の例文を発音してみましょう。

例文) Ma1ma0 ma4 ma3 ma0 ?  お母さんはウマを叱ってますか?



 
1-2 「半三声」について

 上記の四声のうち、日本人中国語学習者にとって最も難しいのは第三声です。というのも、第三声だけは、実際の局面では二種類の発音を使い分けるからです。すなわち、

・第三声強調形:単独で発音するときは、低い声でv字型に押し下げる
・半三声:他の語に続けて早口で発音するときは、低い声で平らに伸ばす

 例えば、ウマという意味の「ma3 マー」(馬)という語を発音する場合を例にとりましょう。

モンゴルの白馬(秘密写真館)


 
 


 単独でma3と一単語だけいうときは第三声強調形で発音します。
 他の語に続けて発音する場合、例えば「bai2ma3 バイマー」(白馬)と発音する場合、ゆっくり発音するときはma3の部分は第三声強調形、早口で発音するときは半三声で発音します。
 実際に中国人が会話するときは、早口でしゃべることが多いのです。つまり、第三声は、実際の場面では、第三声強調形よりも半三声で発音されることが多いのです。

 
1-3 第四声だけは少し速く

 四声のうち、第四声だけは発音のスピードが速くなります。これは「上から下にストンと落ちる」という心理的作用のため、無意識に早口になるためです。

 
1-4 軽声の声の高さ、および中国語の「自然」な発音について

 軽声の声の高さは、前の声調にあわせて「自然に」発音すればOKです。
 「自然に」というのは「不必要な力をいれず、いちばん楽に」ということです。しかし日本人の初心者にとっては、中国語を発音すること自体が「不自然」であるため、慣れないうちは何が自然で何が不自然か、わからないのです。
 軽声の高さは、ごく自然に発音すると、自動的に「第三声のあとでは高く、その他の声調のあとでは低く」なります。
 


 なぜ、軽声は第三声のあとだけ高い発音になるか、というと、そう発音するのが一番楽で自然だからです。

 
[参考] 1-5 中国語の方言と訛(なま)りについて

 中国は広い国なので、標準語(日本語では習慣的に「北京語(ぺきんご)」と言いますが、中国語では「普通話」pu3tong1hua4プートンホアと呼びます)を全く訛らずにしゃべることのできる中国人は、全体の一部分です。
 日本でも中国でも、地方出身者がしゃべる標準語は独特のアクセントがある場合が多いのです(これはもちろん、地方出身者をおとしめる訳ではありません)。特に中国について言えば、政治家とか学者など社会的影響力の大きい人物には地方出身者が多いため、彼らがしゃべる発音は往々にして「中国語版ズーズー弁」です。
 一般的にいって、中国人はみな自分の田舎の訛りに誇りをもっています。ズーズー弁式の中国語を話すからという理由だけで、その人が文化水準を疑われたり、馬鹿にされることは、中国ではあまりありません。

[豆知識] 第二次世界大戦まで、中国人になりすました日本人スパイの多くは「自分は温州(おんしゅう)出身者だ」と騙(かた)った。
日本人中国語学習者の訛りは中国南方の訛りに似ており、しかも温州には多種多様な方言があったから。