中国語発音教材 目次 はじめに 1課 2課 3課 4課 テスト
ぴよぴよ・・・

第四課 中国語発音の実際


4-1 簡単なあいさつを発音してみよう

 中国語でよくつかう簡単なあいさつを以下にかかげます。正確に発音してみましょう。

Ni3men hao3 ニーメン ハオ みなさんこんにちは
Xie4xie シエシエ ありがとうございます
Bu2xie4 ブー シエ どういたしまして
Qing3 チン どうぞ
Zai4jian4 ヅァイジェン さようなら

 



[豆知識] 「ヅァイジェン」(さようなら)を直訳すると「いつか再び会いましょう」の意。
だから「二度と再会してはならぬ別れ」の場合には使わない。
例えば、刑務所に服役していた囚人が出所するとき、とか・・・
写真は、別れの挨拶に手をふるモンゴルの少女(秘密写真館)


[数字の発音] 一から十まで
 

yi1 er2 san1 si4 wu5 liu4 qi1 ba1 jiu3 shi4

[豆知識] 中国語の一から九十九までの数え方は日本語と同じ。百以上は日本語と大違い。

4-2 日本人にとってやさしい発音、難しい発音

 中国語の発音は、日本人にとってやさしいものと、難しいものに別れます。
 例えば、maとかxiなどの発音は、日本語のマーやシーに近いので、日本人にもわりあい簡単に発音できます。
 ところが、chiとかzheなどの発音は、日本語には該当する発音がないため、日本人にはかなり難しい発音です。
 もちろん、中国人も日本人も同じヒトです。中国人だけにできて、日本人には不可能な発音、などというのはありえません。
 ただ、日本人はふだん日本語を発音するとき、中国人と違って、口(厳密にいうと発音器官)のごく一部しか使いません。つまり、外国語の発音で日本人が苦労するのは、日ごろ楽をしているツケ(?)がまわってくるからです。
 日本人は概して、口の奧を使う発音や、舌を適切に動かす必要のある発音には弱いのです。

 
4-3 日本人の発音の弱点は「舌が固くて思い通り動かせない」こと

アインシュタインは発想も舌も柔軟だった

アインシュタイン博士  日本語では、発音の途中で舌を動かす発音とか、口の奧の空間を使う発音は乏しいため、日本人はそれらの発音が苦手です。
 ズバリ一言で極論すれば、日本人の発音の弱点は「舌を口のなかで正確に動かせない」ことに集約されます。
 実際、日本人が苦手とする中国語の発音、例えばeとか、anとangとか、leとか、zhi・chi・shi・riとかは、どれも、発音の途中で舌を口のなかで的確にスムースに動かさねばならぬ発音です。
 逆にいうと、日本人中国語学習者でも、自分の舌の動かしかたを練習して、的確かつ自然に動かせるようになれば、中国語の発音を正確にできるようになります。
 以下、日本人にとって難しい発音、まぎらわしい発音の例を、いくつか挙げます。
 舌の動かしかたに注意して、練習を繰り返してください。

quan1(圏) と chuan1(川) の区別


 


quan1の発音の手順 まず qu と発音してみましょう。次に続けて wan と発音します。qu の発音が日本語の「チュ」にならぬよう注意しましょう。
chuan1の発音の手順 まず chi と発音してみましょう。次に、chi の i の部分を消して、母音の部分を発音せずに、子音だけで ch(i) と発音してみましょう。このとき鏡を見て、自分の口のかたちが chi の口のかたちになっていることを確認してください。この ch(i) に続けて、wan と言います。
・日本人初心者は、概してchuan1の発音がうまくできません。
 中国人の耳には、日本人初心者の chuan1 が quan1 と聞こえてしまいがちです。というのも、日本語の発音では「子音を発音する瞬間の口のかたちは、その子音の後につづく母音にあわせて作る」という原則があるからです。そのため日本人は、中国語の子音の発音にも日本語のクセをもちこんでしまい、無意識のうちに子音 ch(i) を「 u 」の口のかたちで発音してしまうのです。
・上述のとおり、中国語 chuan1 は、次のように段階的に口のかたちを変化させます。
ch(これは chi の口のかたち) + wan (ここから口のかたちは u へ、そして an へと変化)
 ところが日本人初心者は chuan1 の発音をつい間違えて、
ch (ここからすでに chu の口のかたち!!) + wan
 と誤った発音をしがちです。
 これは ch にかぎらず、日本人の中国語発音全般に見られるクセです。中国語の子音の発音のコツ:

 子音はゆっくりめに発音しよう。
 声を出す前に、まずその子音本来の口のかたちを作ろう! そのあと声を出そう!!

を、常に忘れないでください。

 quan1 と chuan1 を正確に区別して発音できるようになれば、以下の発音も正確にできるはずです。

qiao2(橋) と chao2(朝)の区別

 



蘆溝橋(ろこうきょう)=マルコポーロ・ブリッジ(秘密写真館)

qu4(去)とchu4(処)の区別

 



以下の発音も、正確にできるようにしましょう。

Zhong1guo2 (中国)
Ri4ben3 (日本)
Wo3 shi4 Ri4ben3ren2.  わたしは日本人です。
Zhe4 shi4 shen2me ? これは何ですか?
 



Zhe4 shi4 shen2me ?の発音のしかた。
・zheのzhの部分は捲舌音です。子音zh(i)は、あくまで zhi の口のかたちを作ったあとで(ただし i は発音しないでください)、そのあと続けてeと発音してください。
 日本人初心者は、日本語の子音の発音のクセにひきずられて、まずeの口のかたちを作ってから zh と発音してしまいがちですが、これは間違いです。母音 e の部分では、舌をノドの奧にひきこむ動き(模範発音(模型))を忘れずに。
shen2meの二つの「 e 」の発音の違いにも注意しましょう。shen の e は日本語の「エ」に近いですが、me の e は中国語独特のeの発音です。e が日本語のエに近い発音になるのは、前述(2-3の最後)のとおり、「en ei  ye(-ie) yue」の四つの場合です。声に出して「エン エイ イエー ユエ」と発音して、暗記しましょう。

 
4-4 おわりに

 このほか、まだ難しい発音はいろいろとありますが、ここまで私が説明してきた事項を全部マスターできれば、中国語発音の基礎はりっぱにできた、と言えるでしょう。
 日本人にとって、中国語の発音は難しく感じられますが、中国語の文法や語彙はやさしく感じられます。つまり、日本人が中国語を勉強するとき、最初に発音をマスターするまでは苦労しますが、その最初の試練さえ乗り越えれば、あとは順調に学ぶことができるケースが多いのです。
 また、中国語のは発音がマスターできれば、耳とか舌がきたえられるので、英語など他の外国語の発音も自然に上手になる、という嬉しい副産物があります。
 みなさんもぜひ、中国語の発音の基礎を反復して練習して、マスターしてください。